YOUNG&FINE (アクションコミックス)
私は男子校だったので、この作品ような高校生活は送るべくもありませんでしたが、主人公らの会話が大学時代を思い出させて、非常に楽しめる作品となっています。
特に、主人公の彼女の「結局、私の体が目的なんでしょ…。」の辺りのやりとりは、そのまんま昔の私だったので、笑いを堪えるのがたいへんでした。
現在進行形の学生さんが読むよりも、20代30代の人が昔を振り返って読むと、いい作品ではないでしょうか。
世界最後の日々
有害コミックに指定されようが、採り上げた題材が一般社会倫理に反してようが
山本直樹の作品は純文学である。それは「本質的に不愉快で、読者に自己否定・
自己超克をうながす」という文芸評論家福田和也氏の純文学の定義において。
そしてその不愉快さの底にコロリと、この上なくリリカルな情景が転がっている。
冒頭の短編「この町にはあまり行くところがない」のラスト、
主人公たちが歩く線路際の、夕暮れの風景を見よ。
指先が痛くなるくらいノスタルジアに覆われたアンバーな世界と、
その前に佇むしかない私たちがそこにいる。
その美しい世界は、あちらの世界や宗教の言う楽園郷のように私たちを魅了する。
しかし近いがそこに手の届かない乾きに
私たちは肌を重ねることで応えているのかもしれない。
繊細な絵柄に騙されると、危険な毒薬のような作品である。
アメイジング・グレイス
私が「アメイジング・グレイス」を知ったのは
9.11テロ事件、世界貿易センタービル跡地「グランド・ゼロ」で
歌われているのを聴いたのが最初でした。
美しくも、もの悲しいようなメロディーに惹かれ
これまで色々な歌手の方が歌うアメイジング・グレイスを聴きました。
その中でも抜きん出て素晴らしいと思ったのが、この
ヘイリーのアメイジング・グレイスです。
透きとおるようなピュアな歌声を初めて聴いた時は
こんな年若い女の子がここまで歌えるなんて!!と驚きっぱなしでした。
1曲目のアメイジンググレイスは
まるで慰めてくれているかのような、優しく丁寧な歌声だけど
3曲目のベネディクトゥスは荘厳な神々しい歌声です。
もうヘイリーの才能に驚くばかりです。
レッド(1) (イブニングKCDX)
かの有名な山本直樹先生が、殆どエロなしで
連合赤軍の結成から山岳ベース、浅間山荘までの軌跡を描いた作品。
FSSの巻末の年表のようにそれぞれの人物の相関図がまとめられて、
登場人物のうち誰がいつどのように死ぬのかが読者が始めから分かるようになっている。
その1巻の巻末で「なぜこんな真面目な人物が命を落としてしまうのか?」という問いが書かれているが、
僕はやはり「真面目だったからこそ命を落とした」というのが答になるのではないかと思う。
学生運動世代で東大卒の池田信夫先生が、
「学生運動に参加したのは地方の高校から出てきて、大学に友人がいなかったやつばかりで、(集団で入学してくる)灘や開成出身のやつは
学生運動に参加しなかった」
と仰っている。
また学生運動に参加した多くの学生がその後普通に就職したこと、
新左翼とロスジェネ (集英社新書 488C)にもあるように、学生運動はある種の自分探しだったという議論もあることを
考えると、
学生運動は、とどのつまり「友達がいないやつが集まったサークルの自分探し」で、
友達が見つかって青春をそこそこに謳歌できた人らはそこでおしまいになってしまったのだ。
で、真面目な彼らは学生運動をやめることも出来ず革命を夢見て犯罪や暴力も辞さなくなり、
テロリストたちによるカルト集団になってしまったと。
というわけでこの漫画は、あらかたの不真面目な人たちが運動から足を洗って何事もなかったかのように就職していくなかで、
殘った真面目な人たちがどのように破滅(というか自滅)していくかを描いた軌跡なのだと思う。
でも「サークルで合宿に行って友達を沢山殺して警察ともドンパチやりました」なんて結末は
どう考えても許容できるものではないし、仮にテロに走らなくても彼らの思想は同意できるわけでもないのだが。
友達欲しいなら他所でやれよ、と。
ヒッツ・オンTV Drama&MOVIE~CLIMAX~
大河ドラマあり、各民放の主力ドラマのテーマ曲を網羅したこのアルバム。
収録曲を見た瞬間予約してしまいました!
変わり者かもしれませんが、この中で一番泣かせて頂いた「新選組!」ジョン・健・ヌッツォさんの歌うテーマ曲が私の一番のお勧めです
値段も手ごろで素晴らしいと思います。