Kraftwerk: The Catalogue Box Set
クラフトワークのリマスター盤で、中は紙ジャケCDということで、心待ちに
していた方も多かろうかと思います。音質についても、かなり向上しており、
期待は裏降られません。では全ての方にお勧めするかというと、そこは微妙。
マニアは買うのが当然としても、普通の人は届く箱を見て間違いなくびっく
りします。箱のサイズはまさにLPサイズで中にはLPジャケットサイズのスリ
ーブが8種類。場所をとり重量もありすぎるので、当方は早くも引っ越しの
ことが心配になりました。個人的にはBeatles in monoのサイズを想定してい
たのでかなりの驚き。これだけ立派な箱だと開いて、スリーブの下面にある
CDを出すのも一苦労です。(マニアにとってはこれも楽しみだが(笑))
マニアのような思い入れのない方で、クラフトワークに興味があるという方
は、単売で購入された方が良いでしょう。音楽については文句なし!
テクノ・ポップ
この盤はアルバム名が変わっただけじゃなく、一曲増えてます!!五曲目が四曲目を発展させたインスト曲になってて、非常にカッコイイです。聴いたことない曲ですが、このアルバムが制作された時に作ったものなんでしょうか?
追記…五曲目の正体は解説に記されておりました。この解説も読みごたえ有り。
ミニマム-マキシマム [DVD]
まずは、発売されたことを喜びましょう(^_^;)
今までも散々ファンを振り回してきた「おやじ達」ですが、待った価値はあります。
演奏されている曲は、初期の3枚を除いて、ベスト的な選曲だと思います。
メンバーの手元もわずかながら、確認できますので、ステージ上で何をやっていたのかが分かります。
また、アウトバーンではフローリアンが歌っている姿も!
テクノ、というジャンルを確立したクラフトワーク。
テクノは嫌い、という方も見て損はないです。
ヨーロッパ特急(トランス・ヨーロッパ・エクスプレス)
1977年4月リリース。録音については1976年としか記述がないが、おそらく根城、デュッセルドルフ、クリング・クラング・スタジオだろう。クラフトワークの6thアルバム。クラフトワークのコンセプトが完全に完成したアルバムと言えるだろう。
機械的なビート(非人間的をめざしたボイス)。
ミニマム的な曲展開(スティーヴ・ライヒとある意味双璧)。
ショールーム・ダミーに代表されるような非生物への投影(アルバム・ジャケットの写真のこだわりもそれを現している)。
今聴けばまさにこれは現代の音だ。携帯電話やパソコンの持っている音やリズム。彼等は30年以上前にそこに到達していた。
余談だが、ここのところの通貨ユーロ周辺の一部始終を見ていると、ホントにユーロというのはとてつもない実験だと思えてしまい、ユーロがこのアルバムの『ヨーロッパ・エンドレス』に乗ってにグルグルと無限ループして落ちて行くデ・ジャヴを視ている気すらしてくる。このアルバムに『今』を視る気がする。