スタイリスティックス
「愛がすべて」は曲の出始めのトランペットとハープのハーモニィー、
上品なバイオリンの音色とゆっくりとしたリズムに導かれて美声のボーカルで聴かせる魅惑の曲ですね。
ファルセット(裏声)が実に魅了していると言うか・・
それを超えて、やすらぎを覚えてしまうのは私だけでしょうか。?
街のあちこちで耳にしたヒット曲なのはわかっていましたけど・・
私は、失礼ながらタイトル名を知ったのは今です。
時が流れた今でも、題名を知らなくても素敵な曲はいつまでも脳裏に刻んでいるものです。
詩はわからなくても、別世界に誘ってくれるのでお気に入りですね。
それと「16小説の恋」のトランペットとバイオリンがカッコいい・・もちろん美声も素敵です。
「ロッキン・ロール・ベイビー」はどこか映画のひとコマで聴いたような記憶があり、ナカナカいいですね。
Loops [Monthly Hair Stylistics Vol.9]
とうとう完結した月刊ヘア・スタイリスティクス。毎月締め切りがある、という制限と毎月リリースできる、という自由が上手く相互作用した良作ぞろいでした、ジャケットも面白かったし。さて、本アルバムはその中でももっとも内容の濃い大傑作。昔からループものには大傑作とどがつく駄作しかないですが、これはループのようでいて徐々に変貌していく無意味な繰り返しが最高で聞き惚れる瞬間が多数ありました。ノイズのループものではMerzbowの抜刀隊が有名ですが、あの訳の分からなさをさらに丁寧にエフェクト処理した感じ。シリーズが終わって、どれから聴こうか迷っておられる方にはおすすめです。
Language in Literature: An Introduction to Stylistics (Hodder Arnold Publication)
著者によると本書の目的は、テクストの中で言語がどのように機能するかについての読者の意識を高めることです。そこで本書には、読者が文学研究や文体論などを行っていく際に最も必要となる言語意識を高めるために様々な活動が盛り込まれています。本書が扱っているのは例えば、一貫性、様態、話法、前提など言語学ではおなじみのテーマです。それぞれの章で、その章のテーマ(例えば話法など)を説明し、その後でその理論を自分で文学テクストに応用できるようにするための活動が用意されています。自学自習が出来るようになっているので、自分のペースで進めていくことができると思います。本の内容は簡単なので、文体論等の本を読んだことがほとんどない人でもそれほど苦労することなく読むことができると思います。
Hurry This Way Again / Closer Than Close / 1982
私は無精者なんで普段はレビュー書きませんが、この作品には書こうと思いました。3枚のLPがセットになっていますが、どれもそん色なくレベルが高いです。彼らが一番人気のあった70年代中期以降のポップさを協調した音ではありません。philladelphia international recordsへの移籍は音楽的には大成功です。後期PIRの要であるDexter Wansel他の強力なスタッフのバックアップにより、とても優雅でそれでいて十分に黒いサウンド、その音に負けずにポップさや甘さではなくメローさ、パッションを抑えきれないやるせなさを感じさせるsoul好き納得のヴォーカル、この値段でこのヴォリュームはまさにお買い得です。長い歴史のある彼らですが、売り上げは別として音楽的な質ではこの3枚がベストと断言します。Hurry up this way again一枚だけのCDも販売されてますが、他の二枚も同レベルに素晴らしいのでこちらのセットをお奨めします。彼らのポップな側面には興味がないため買う時は、外すのではないか、ととても不安でしたが当初の期待値と実際の聴後感のギャップは今年一番です。Stylisticsから若干話題がそれますが、PIRは全盛の70年代初期から中盤はいわゆる70年代様式美の極致であり、あまり売れなくなった70年代後期以降は若干マニアックながら現代の風潮にもマッチした隠れた名盤が多数です。個人的には後者の方が好きです。もう一度書きますがこのCDはへなちょこポップではなく、優雅でメロー、高揚感、哀愁をもつ屈指の逸品です。