論スポ なでしこ&ザックJAPAN勝利のマネジメント
アメリカとのワールドカップ決勝戦。PKを制し、狂喜乱舞するなでしこジャパンの選手の輪にあえて加わらず、意気消沈するアメリカ選手の元へ駆け寄っていた宮間選手の優しさあふれる気遣いに目頭を熱くし、以来、ファンになった一人です。
ですので、今回の『論スポ』における宮間選手のインタビューを楽しみにしていましたし、記事の中で件のシーンについて彼女がさりげなく語っている「喜ぶことは、後でいくらでもできるじゃないですか」という言葉に再び胸を打たれました。
インタビューの中で宮間選手は永里優季選手にも言及しています。ワールドカップ期間中にチームから浮いていた、という報道は何度か目にしましたが、彼女が孤立しないようにそっとフォローしていたのも宮間選手だったんですね。ロンドン五輪のアジア最終予選では見違えるように献身的にプレーしていた永里選手を、心の部分でしっかりとアシストしていたわけですね。
丸山桂里奈選手のインタビューはサッカーへの一途な思いがひしひとと伝わってきて、大けがからの復活を思わず応援したくなりました。長くなでしこジャパンを取材してこられた3人による座談会は笑いあり、涙ありで楽しく読ませていただきました。来年のロンドン五輪へ向けて、ますますなでしこたちを応援したくなる一冊だと思います。
なでしこという生き方―日本女子サッカーを拓いたひとりの女性の物語
女子サッカー(Lリーグ)を見始めたのが、1995年なので、
本田さんの現役時代のプレーを見る機会はありませんでした。
しかし、この本で、その当時のサッカーに対する思いが充分に伝わってきます。
また、宮間選手との関係も雑誌等より、かなり詳しく書かれているので
非常に参考になる本でした。
凛と咲く なでしこジャパン30年目の歓喜と挑戦
なでしこたちと長く信頼関係を築いてきた著者が、女性ならではの「共鳴力」で受信し、伝えてきたなでしこの魅力を感じることができた。(日本の)女性が真に団結した時、揺るがない強さを持つことを確信した本。意外とすぐ読み終わるのでおすすめ。
世界一のあきらめない心: なでしこジャパン栄光への軌跡
ワールドカップ優勝で一気に注目のなでしこJAPAN。
だけどキャプテン澤穂希と佐々木監督以外、いまいち選手個人個人の人物像が伝わってはこなかった。
この本はワールドカップ優勝までの舞台裏と澤ばかりでなく
各選手の素顔に迫ったノンフィクション。
例えばFW安藤梢が、筑波大学時代からドイツ・ジュイスブルグで生活する現在に至るまで
サッカーだけでなく運動生理学のエキスパートである事実や
幕張総合高校時代の宮間あやが読売ベレーザを退団した翌日には、
同校の男子サッカー部に混ざって練習していたというエピソード、
丸山桂里奈がドイツ戦で決めた奇跡のスーパーシュートが生まれた背景、
震災時には東京電力福島第一原発に勤務するOLだった鮫島彩の繊細で複雑な心の動きまで……
ワールドカップバブルに便乗した
一朝一夕の取材では絶対に知り得ない貴重なエピソードが満載です。
また本書で初めて知りましたが
なでしこが決して盤石のチームワークで優勝を手にしたわけではない現実。
チームの空中分解の危機と選手個々人の溝をどうやって埋めていったかも
時系列で詳細にレポートしています。
著者は女子サッカーを取材して10年近い第一人者。
だからこそなでしこのメンバーも信頼を持って胸襟を開いて
語ってくれたのだと思います。
オリンピックアジア予選もこの本を読んだことで
随分違った見方ができ、TV観戦がワールドカップの時より数段楽しめました!!