回帰線
衝撃のファーストアルバムから、約2年ぶりの2作目。
このアルバムには、「卒業」という、学生身分の人には痛烈に心に響くメッセージ調の物凄く濃い不滅の名曲が収録されているが
この曲のあるフレーズが、永遠の私の私自身に対する
テーマと言うか、なんちゅうか本中華、心の奥にいつも残っている。
「あと何度自分自身、卒業すれば、本当の自分に辿り着けるだろう」
この詩がねぇ、本当に考えさせられるんですよ。
まぁ、この問いに対しては、表面的に考えれば「死ぬまで分からん」
と言うのがオチであろうと思うが、
私なりの、解釈で言うと、「今現在が本当の自分」なんだろうかと。
泣いたり笑ったり、怒ったり嘘ついたり、多重人格だったり…
まぁ、色々なその時々の感情などありますが
どれもこれも「本当の自分」なんじゃないかと思うわけですよ。
いやでもね、そうは思っても、この「卒業」を聞くと
やっぱし考えちゃうんですよ。
そう思うと、結局「尾崎豊」と言う人物はいつもいつもすごいなぁと
改めて敬意を表したい。そんな気持ちです。
とりあえずは、こちらのアルバムも、是非とも聴いてみてください。
群衆リドル Yの悲劇’93
雪山、山荘、吊り橋、密室、童謡殺人、見立て人形……
これでもか!とばかりにちりばめられた「本格」アイテムに、思わず購入しました。
いわゆる本格という分野で発売される小説が目に見えて減少している昨今、
このような豪華なラインナップを並べられてしまうと、多少バカミスが予想されようと心をくすぐられてしまうのがファン心理というものではないでしょうか。
王道の素材をちりばめたうえで、どのような新しい調理方法を見せてくれるのか。
そこに期待を膨らませながら読みました。
結論を言えば、なかなか満足のいく内容だったと思います。
古野さんの作品を読むのは初めてでしたので、独特の文体がはじめは気になりましたが、すぐに慣れました。
登場人物の名前も奇妙ですが、よくキャラが立っていて、挿絵がなくてもひとりひとりの造形が目に浮かぶくらいです。
作者のフランス語の知識や音楽方面に関する造詣も深く、よく小説を読んだ時に感じる「これは違うんじゃないかなあ…」といった気持ちもあまり起きませんでした。
個人的に、クラシック音楽がとても好きなので、登場人物がピアニストだったりヴァイオリニストだったりするのも嬉しかったです(パラレル風なわりにアルゲリッチなど、現代の実在人物が登場するのに多少違和感は覚えましたが)。
最初から最後まで、電車の中やお風呂の中も含めて一気に読んでしまいました。
世界観がかなり確立されていて、耽美的な雰囲気もややあるので、映像化されても面白いかもしれません。
昔の横溝映画のような風合いで観てみたいです。
総じて満足できる出来でしたが、本格のキモであるトリックに関してはやや「それ!?」という感じが否めなかったので、星4つで。
群衆 - 機械のなかの難民 (中公文庫)
「二十世紀の日本の群集」を漱石、啄木、大杉栄、夢野久作なんかの作品と視点を踏まえて、分析している本。
群衆は機械として扱われていたけど、そこから脱却しようとしてたってとこかな。
オフコース・グレイテストヒッツ 1969-1989
このアルバムについては色々と意見がありますが、私の意見を書かせてもらうなら、オフコースをよく知らない人、小田和正さんのアルバムを聴いていて、オフコースについて興味を持っている人ならば、買う価値は十二分にあります。私もこのアルバムでオフコースをのめり込むきっかけになりました。ただ、オリジナル作品やシングルB面作品等を聴くにつれて、だんだん聴く機会が減ると思います。まあそれはオフコースに限らず、どのアーティストにも言えてしまうことですが。とりあえず、オフコースを知りたいなら手始めにこのアルバムを購入する事をお薦めします。どの曲も名曲であるに変わりはありませんから。