ああ爆弾 [DVD]
奇才岡本喜八監督による数少ない伊藤雄之助主演作。共演は砂塚秀夫・越路吹雪・中谷一郎ら。昭和の怪優として名高い伊藤雄之助が真面目に頓馬な役を演じ切って、それに砂塚以下共演陣らがトボケた可笑しさを添えています。
映画の解説では「ミュージカル」となっていますが、一般的に思い浮かべるミュージカルかと言うと決してそうではなく、能や狂言、浪曲やお囃子のリズムに合わせて台詞を言ったり、体を動かしたりして、滑稽な雰囲気を倍加させている感じです。さらには法華太鼓と木魚の競演(笑)があったり、ジャズやロカビリーサウンドまで取り入れて大勢がリズムに乗って殴りあったりと、とにかくヘンテコで面白可笑しい内容です。
この主人公は、3年ぶりに出所したら組を乗っ取られていたマヌケな親分と言うキャラで、伊藤雄之助が『椿三十郎』の城代家老役で見せた、飄々としたオッサンの雰囲気も見せてくれてとても楽しいのですが、主題(と言えるかどうかはともかく)も一貫して「根本的にお人好しが裏工作をして悪さを働いても上手く行かないこと」が読み取れます。とにかく、思いもかけないリズムに合わせた珍妙な演技を、皆が真面目にこなしているのが素晴らしいですね。
ゴールデン・ベスト
越路さんの歌声に酔いしれました。特に人生は過ぎ行くには鳥肌が立つような
で、陶然としました。40代には常に音楽を聴いていました。中島みゆき、五輪真弓に浸りました。50代は音がしんどくなり、ぱたっとどのジャンルの音楽
もききません。それが65歳直前にBSで越路さんの唄を耳にしたのです。胸に響きました。それから越路さんの声が、私の頭にこびりついているのです。全てのコーちゃんの唄を聴きたい!それが今の私の夢です。それと他の歌手の同じ唄を聴きましたが、岩谷時子さんの訳詞が、越路さんの歌声を最高の形で引き出している事にきずき、お二人の友情のたまもとであることに、また感動したことです。
永遠の越路吹雪/日生劇場リサイタル’70 [DVD]
越路吹雪さん、仕合せな人だった。
このリサイタルの演出は浅利慶太氏。1954年のリサイタルから
ずっと続いていた。
音楽構成、編曲は旦那様の内藤法美。
台本・作詩 岩谷時子。
こんな豪華なメンバーでほぼ毎年、日生劇場でリサイタルが続いた。
このアルバムは1970年。この年 山口洋子作詩 内藤法美作曲のヒット曲「誰もいない海」がリリースされた。
アルバムの最初と最後に静止画をバックに「誰もいない海」が流れ
始めはキャスティングが最後は若くして他界した彼女に岩谷時子さんの別れの言葉が流れる。
ドラム:ジョージ川口、テナーサックス:松本典彦等々演奏も超一流。
さて内容であるが、レコードやCDとはひと味違う。ライブならではの
味が堪能できる。
豪華アーティストの演奏も心地よい。
こんな豪華なキャステイングでリサイタルが出来る歌手は越路さんの他には居ないだろう。
しかしアナログ時代しかも35年も前の映像である、悪いとは思わないが今のデジタルソースとの比較は酷である。
それを補って余りある46歳の越路吹雪の瑞々さに70分があっと言う間に
過ぎた。
こんなレアなDVDが手に入るアマゾン・ドット・コムに感謝したい。