レッツ・タッチ・ザ・スカイ
ついに、ついに、ついに全盛期のFourplayが帰ってきました!!
ギタリストがLarry CarltonからChuck Loebに変わったわけですが、このメンバーチェンジが大正解!
Chuckはギターの腕ではLarryに引けを取らないし、何よりも書く曲が凄く良い!
彼が作曲した曲はFourplayでは珍しいファンクなノリのM2と、Lee Ritenour時代を彷彿とさせるM9。どちらも聴いてると希望が湧いてくる素晴らしい曲です。さらに、それに引っ張られてかオリジナルメンバー三人もかなり良い曲を作ってきました。
ここ数年のFourplayは、圧倒的な演奏力・音質・ライブパフォーマンスに対して、新曲は決して悪くはないけどそこそこ、という印象でしたが、今作では演奏レベルはそのままに曲が一気に良くなりました。
エレガントで美しくて深い、しかもキャッチーな作品です。
Lee時代のFourplayのファンだった人からジャズ初心者までお薦めできる名盤です。
ボーナストラックもBob、Chuckの暴れっぷりがなかなかいいので、余裕があれば日本盤の購入がお勧めです。
ヴェリー・ベスト・オブ・アニタ・ベイカー
アニタ・ベイカーのシングルをもれなく収録したベスト盤(全部シングル・ヴァージョン)。シングルになってない曲も入っていてる。「とりあえずアニタって?」っていう人にはこれでOK!アニタのCDはどれも音が悪いけど(今のところ)、これはちゃんとリマスターされてる。このCDにはヴァージョン違いやサントラ収録曲も収められているので、アルバム全部持ってる人でも、満足するよ。
Giving You the Best I Got
前作Raptureに続き、大ヒットを記録したメジャー2作目。
前作の評価が高すぎるためか存在感がいまいちな気がするが、内容は抜群。シングルとして大ヒットを記録したタイトル曲を始め(余談だがこの曲を聞くと、いつも山下達郎の「甘く危険な香り」を思い出す)、Priceless、Just Becauseなど、ジャケットの華やかなイメージを裏切らない良質なナンバーが届けられる。彼女のアルバムに欠かせない王道ソウルバラードのLead Me into Loveを含め、聞きどころ満載。
Raptureを聞きAnitaのアルバムに興味を持った方はぜひこの作品を。
Rapture
"Sweet Love"は当時(86年)米top10ヒット(彼女の楽曲の中で一番知られている曲)になったし、次作"Giving You,,"は米チャートで1位になったので、Anita Bakerは知っていましたが、このアルバムを初めて聞いたのは90年代半ばだったと思います。80年代にあった”クワイエット・ストーム ブームの中で注目を浴びたシンガーの1人だと思いますが、(その中でも突出して売れた)このアルバムを聞いていると、時代を超越した個性の持ち主だったのが分かります。ジャズ・シンガー的な要素も持った人でしたが、どちらかと言えばオーバー・プロデュースな作品が多かった、あの時代にリリースされたというのが信じられないくらい、全曲が良い意味で抑えたアレンジメントになっているのに驚かされます。しかも、executive producerが彼女自身ということは、彼女自身”どういう音楽がやりたい”かというvisionをこの時点でしっかり持っていたのだと思います。彼女の作品はベスト盤も含めてたくさんリリースされていますが、このメジャー移籍第一弾アルバムだけでも、彼女がone & onlyの個性を持っていたのだな、というのが分かってもらえると思います。こういう”リスナー層が広そうな”洋楽(の売れている)アーティストって、そういえば最近はいないような気がするのが残念ですね。あと、個人的なベスト・トラックは"Caught Up In The Rapture"です。