どろんころんど (ボクラノSFシリーズ)
一面の泥の海に覆われた世界を、少女型アンドロイドと亀型ボディガードロボと泥人間”ヒトデナシ”の3人
が、消えた人間を捜して旅する物語。
人間はどこに消えたのか?世界はどうして泥の海に覆われたのか?
その理由は衝撃のSFアクションにでも、ホラーにでもできる程、すごく恐ろしいことが起きたはずなのに、
全然衝撃的な文章にはならず、終始泥の海のようにノッタリクッタリとぼけている。
解説調の少々くどい文もその世界観に合ってるような、眠気を誘うような…
そういえば日本って神様が混沌の海をかき混ぜた矛の先からのしたたりでできたのではなかったかしら?
この奇妙な物語に不思議な懐かしさと切なさを感じるのは、神話に通じる世界観のため?
それとも無意識の世界(夢の中)で見た風景が広がるような既視感のためかもしれない。
目の前のリアルが現実か否か?現実とは何か?
この古典的にして現代的な問いかけの解答はあると言えばあるし、無いと言えばないような。
(以下ネタばれ)
さらにすべてが分解し解け合うことで自己と他者の区別もなくなり、よって戦争も成り
立たず究極の平和が訪れるという発想には脳みそを糠味噌のごとくかき回された気分!
編集デザインがとても凝っていて、文字がイラストの一部を担っている遊び心あふれた1冊。
読み終えて福音館という児童書の出版社から出ていることに気づいた。
図書館だと児童室にあるのだろうか?この諧謔は大人にこそお勧めですが。
娘の結婚 [DVD]
是非オリジナルの晩春も見ていただきたい。まったく現代においても色褪せていない小津監督の昭和24年作品である。小津監督の映画によって作られたであろう日本映画界の太い流れを市川監督が見事に再現しているように思います。
昭和24年に晩春が出来た事が未だに想像できないでいます。もちろんこの市川監督作品も素晴らしいと思いますが、小津作品を越えているかと聞かれれば、越えていないと言わざるをえないです。
船を建てる 下
全然涙が出ない人も、大勢いると思います。
すごく好きになるか、退屈で退屈でたまらない思いをするかの
どちらかに二極化すると思います。
絵本や児童文学やメルヘンが好きな人は
この本も好きになる方が多いんじゃないかと思います。
シンプルな画風がとても美しいです。
小さい頃にも読んでみたかったし
今から10年や20年経ってからももう一度、読みたいと思います。
感じ方がきっと全然違うんだろうなと思います。
家族で読んだらきっと皆違う感想を述べるような作品です。
大人も子供も読めるけれど、非常に奥が深い漫画でした。
船を建てる 上
ホンワカした短編集だ。天使アシカのコーヒーと普通アシカの煙草.....アシかが主人公のおかげだろうか?
心の隙間に言葉が残る。たとえば、煙草が言う。
「悲しい気持ちになったら、生きていける自信がない。」
すると、女友達のチェリーが言う。
「いいじゃない。淋しかろうが、悲しかろうが、一日に一個でもいい事があれば、それでOKよ。....いいこと教えてあげようか?」
心のどこかに隙間が出来たら、読むといい。ホンワカしてくる。