「偽物語」 第三巻/かれんビー(下)【完全生産限定版】 [Blu-ray]
「かれんビー」の下巻で2話収録の作品です。正直、「かれんビー」は5、6、7話だけの構成で良かったかもしれませんね。妹との戦闘シーンの演出は、シリアスな雰囲気を壊した感じがします。また、詐欺師と対峙してからの展開が、詐欺師が退場するだけの展開になってしまった。「かれんビー」としての尺はあったのに、妹と別れてからヒロインと合流して、二人で詐欺師の所へ向かう描写がないことも残念です。怪異の被害者がいないとしても、ケータイ破壊、詐欺師追放の結末は肩透かしな印象です。前巻まではストーリーの起伏が少なかったが、この巻は化物語の続編だなぁと思いました。ただ、下巻と上中巻の温度差は違和感があります。
傾物語 (講談社BOX)
『猫物語(白)』に続く、新章の第2弾。八九寺真宵の巻。
八九寺真宵を前面に押し出しつつ、また、「<物語>史上最強の二人組が・・・」なんて宣伝文句を見て、勝手に勘違いしていたが、八九寺真宵はそれほどガンガンは出てこなかった。勿論、彼女に対してスポットが当たっているのは確かだが、当初想像していたのとは違った展開だった。
個人的な印象だが、シリーズを重ねるに従って、どんどん面白くなっているというか、「上手く」なっている、作品としてのレベルは上がっているように思う。勿論、作品によって、展開の仕方は同じではないし、また、どの作品にも、特にストーリー上意味のない、他愛のない会話が少なからず入っている。それにも関わらず、上手くなっているというのは、作品としてきちんと完成している、閉じているからだ。今作のストーリーはこのシリーズにおいてもかなりぶっとんでいる。一歩間違えば大ブーイング受けかねないほどの大技を使っている。にもかかわらず、それなりのところに落としている。そこが上手いと考える理由だ。また、ラストでの八九寺真宵との会話も良い。それで、すべて救われる。
化物語(上) (講談社BOX)
今まで西尾維新の作品は戯言シリーズしか見ていなかったのですが
アニメを見て化物語がいい雰囲気だったので、まよいマイマイまで見たところで本を買いました。
やっぱりキャラの会話の掛け合いがさすがとしか言えませんね。
戯言シリーズでは全体的に暗く、難しいストーリーの間にキャラの掛け合いがある感じでしたが
化物語は戯言シリーズから難しさを取り除き、キャラの掛け合いに重点を置いた作品だと思います。
各キャラの何気ないセリフでも、そのキャラの過去を考えると深い意味になっていたりと
普通のセリフなのに思わず涙ぐむほど素晴らしいです。
戦場ヶ原との掛け合いもいいのですが、個人的には真宵との掛け合いが好きです。
息がぴったりすぎて、見ていて清々しい気分になってくるんですよね。
私はアニメを途中まで見てから本を読みましたが、特に差し支えはありませんでした。
むしろキャラの声、表情などを先にアニメで見聞きした方が原作を楽しめるかもしれません。
他の人も書いているように、オチよりも過程が楽しいのです。
アニメだと掛け合いが過剰に見えたり寒いセリフの部分も、原作だとすんなり読めます。
基本的に西尾維新のキャラのセリフは喋らす為に作られていませんからね(笑)
まだ上巻しか見ていませんが、これは小説を読み慣れていない人にもお勧めです。
これで慣らしたら是非とも戯言シリーズも読んでください。
化物語よりもっと濃いキャラクターが勢ぞろいです。
傷物語 (講談社BOX)
化物語は複数の主人公の話をつないでいるため一冊の本としてみるとやや散漫な話になってしまっている面がありますが、傷物語は登場人物が少なく濃密なストーリー展開が続きますので非常に面白いです。忍野忍/キスショットが化物語シリーズの中核をなす重要なキャラクターだったのに驚きますし、阿良々木暦と羽川翼の狂気を帯びた性格の連鎖から後の非論理的な行動が生まれた背景も良くわかりました。
猫物語も読みましたが、個人的には傷物語に一番高い評価を付けたいです。
「偽物語」第五巻/つきひフェニックス(下)【完全生産限定版】 [Blu-ray]
ひととおりの世界感はこの下巻で集約されましたね。
バトルあり口上ありとで。
ただかれんビーに尺をさきすぎたようで
短く終わってしまったのがさみしい。
傷物語映画ですが、そちらに期待しましょう。