Lucky Man: A Memoir
ショッキングな出だしから、感動的な結末まで、一気に読みました。前半は、マイケルの素直さ、性格の良さが随所にうかがえ、さわやかな印象です。特に、マイケルに大きな影響を与えた、おばあちゃんの記述は、深い愛情に満ちています。後半は、パーキンソン病との闘いが中心ですが、病気を受け入れ、パーキンソン病患者のために、さまざまな活動を行う記述を読むと、単なる性格のよい(才能のある)一映画俳優が、闘病を経て、ほんとうに尊敬すべき人間へと生まれ変わった印象をもちます。ことに、上院でのスピーチは、すばらしく、涙なしには読めませんでした。さらに大きな感動は、ラストに待っています。こんな見事なエピローグを私は他に知りません。類のない傑作。
レナードの朝 [DVD]
原題は「目覚め(Awakenings)」ですが、むしろそちらのほうが映画の真意を汲んだものではないかと思います。
核にあるのは、それぞれの人が経験する「目覚め」です。
与えられたものが、まさに奪われたときに、人はその大切さを知ります。そして、失ったものは二度と元には戻らない。
新たな恵みに感謝し、無常な剥奪に絶望し、その中で、人間が人間らしくあること、生きることの意味をそれぞれの人が問いかけ、彼らは確かな「目覚め」を経験する。そして、映画を見た私たちも、です。
病気が教えてくれる、病気の治し方―スピリチュアル対症療法
論理が明快で、大変説得力のある本だ。読者に対して一切の妥協をせずに病気の本質を突きつけてくる。ここで語られていることを受け止めるには、医者も患者も相当な覚悟が要る。
けれども、この本を真に理解するならば、病気対する見方が大きく変わるはずだ。そしてそれは、人間が真の健康を取り戻すきっかけとなるに違いない。