あの道この道 (文春文庫)
大正〜昭和の小説をよく読むようになったきっかけは
吉屋信子さんの影響が大きいです。
この小説は「冬の輪舞」の原作だったのですね・・・。
ドラマはいいとして、
すっかりこの話しにのめりこんでしまって
仕事中も気になって気になって・・・・。
早く続きが読みたくてたまらなくて・・・と、ゆうくらいに
引き込まれてしまいました。
現代の言葉の表現よりも
とっても美しく、想像力がかき立てられるような言葉遣いが
読んでいてとても気持ちがよかったです。
欲も裏もなく
純粋な気持ちを現代に生きてる
自分にも当てはめてみたくなりました。
屋根裏の二処女 (吉屋信子乙女小説コレクション)
タイトルがすごいが、吉屋信子の作品には処女という言葉が何度も出てくる。無粋で乱暴な男に散らされていない、清らかで穢れなく、女性本来の女性、として私は素直に処女という言葉を納得してしまった。女学校卒業後、専門学校に通う「心に要を欠いた」章子はそれまでの寮を出てYWAに部屋を借りる。寮が満員とのことで、得られたのは青いペンキで塗られたにわか作りの屋根裏部屋であった。初めて自分の部屋を持った章子の満足と恍惚と寂しさが多くの形容でこってりと書かれる。そして、目的を欠いた毎日の中で、同じ寮の綺麗な異端者を恋うる思いが次第に募ってくる。二十三歳の「若書き」ではあるかもしれないが、技術で操作されていないぶん苦悩はリアル。「自分のしたいことが見つからないが、周囲に言われるまま学校に通っている」という人には時代を超えて響くところがあるだろう。そして、女性を押しのけて我先に電車に乗り込む男たちの姿が与える失望は、現代も同じ。
徳川の夫人たち 下 朝日文庫 よ 1-2
本書を読んで、一番感じたことは日本女性の美しさ。それも人の行動や言葉に一々感動し涙するほどの心をもったすばらしい美しさ。本書はその美しさと聡明さを兼ね備えた三代将軍家光の傍妾であった永光院の生涯を描いた小説です。本書を読みながら思ったことは、このような女性が何故日本からいなくなったのかということです。日本女性といえば「アメリカの会社で働き、イギリス風の家に住み、中国人のコックを雇い、日本人の女性を妻にする。」ことが一番贅沢とされるほど世界でもおしとやかで奥ゆかしいとされていたほどで、日本文化の誇りでもあったはずなのにと・・・。
本書の内容に関しては、慶光院からお万の方、永光院へと移りゆくひとりの女性の生き方とその時代時代での考え方の変化を上手く小説化しており、大変面白く読みすすめることが出来ました。ただし終止永光院お万の方を賛美しすぎているので、最後の方では若干少女漫画チックになってしまっていることが気になります。
『少女の友』創刊100周年記念号 明治・大正・昭和ベストセレクション
中身の濃い本です。
この本を読むと、読者は自分の中にある少女性に気づかされます。
新鮮無垢だった少女時代を取り戻すことができる本です。