L(紙ジャケット仕様)
後世への影響度からすれば、4作目の「グリーン」(1978年)を代表作とすべきなのかもしれないが、私はこのトッド・ラングレン製作の「L」(1976年)が大好きだ。
理由は、とにかくこのアルバムでの、スティーブ・ヒレッジはロックしてるから。そういえば、当時彼は、ローリング・ストーンズのセッションにも呼ばれたらしい。
袂を分かったゴングは、どんどんゲスト頼みのフュージョンバンド化し、自らのアイデンティティを希釈していった反面、ヒレッジは未だ見ぬ新しい音楽の構築に向けて、理想的なバンドとプロデューサーを得て、実にファンタスティックな「真のフュージョン・サウンド」のアルバムを創造した、それがこのアルバムだ。
ラーガ・ロックの先駆者の、2つのカバー曲(ジョージ・ハリソンとドノヴァンの作品)は本家を凌いでいて、完全に自分のオリジナルにしてしまっている。ゲスト参加のドン・チェリーのトランペットも実に効果的だ。
また同時期のトッドの動向との関連も見逃せない。この作品を聴いてトッド・ラングレンにも興味を持った人には、トッドのプログレ大作「イニシェイション」(1975年)を聴くことをおすすめします。
フォー・トゥ・ネクスト/アンド・ノット・オア(紙ジャケット仕様)
82年発表の8作目。現在までのところまではソロ名義としては最後となっている作品。全てをヒレッジとミケット・ジロティの二人で完成させており、いわば本作での作業 (と合わせて前作のアンビエント作) が次作にあたる システム7の布石になったと見る事も可能かもしれない。
本作にはアナログ時代の初回プレスに『And Not Or』というインスト曲を収録したポーナス・アルバムが付属していたが、現在のCDには合わせて収録してある。
本編は久々に全編歌もの中心でコンパクトなものばかり。結果として前作とは対極的になったが、スペーシーで憂いを帯びたメロディアスな作風は彼の作品の中でも極上。以降の彼はシステム7としてその肉声を封印してしまうわけたが、そういった決心とやり納めのような集中力と開放感を感じさせる作品である。ヒレッジは後にトニー・バンクスの『バンクステートメント』をプロデュースすることになるが、ここでの楽曲はメロディ、リズムの処理などを含めてトニー作であるその楽曲と肉迫している。
どの曲もヒレッジらしいものばかりだが、時代に呼応したニュー・ウェイヴ的な雰囲気がとにかく素晴しい。新鮮かつ斬新な仕上がりだと思う。また『And Not Or』の曲はこの時点でハウスの手法が提示されており歴史的な意味合いにおいても重要。
2.のテクノ/ニュー・ウェイヴっぽい仕上がりの曲はどことなくトッド・ラングレンを彷佛とさせる名曲。
おそらく多くの音楽ファン、そしてヒレッジのファンをも驚かせる独特の質感を持ったポップ・アルバムの名盤。最高傑作かもしれない。
Phoenix
昔からsystem 7のファンですが、今回のアルバムは手塚治虫の「火の鳥」をイメージして製作されたようで、幼いころから、手塚作品を読んでいる自分にとっては、ヨダレが出る程の作品です。
内容も、漫画のイメージが膨らむ程リンクしてますね。
フィッシュ・ライジング(紙ジャケット仕様)
北カリフォルニアのアンティーク屋で、Steely Dan と
Tower of Powerのアナログのアルバムと共に、
酒臭い酔っぱらいの店主に、店のポンコツステレオで、
このアルバムを大音量で聴かされた。(1枚約80円だった)
オヤジの息のクサさと、スペーシーなシンセと
アグレッシブなギターリフ!その時の驚きは今でも鮮明に覚えている。
一言で簡単に言うと、
「宇宙ギター」
以来、大好きなアーティストになったが、CDで簡単に手に入って
とにかく幸せです。僕もヒレッジのアルバムの中ではコレが一番スキ
です。バンドに参加したメンバーのヘンテコプロフィールがジャケに
あるけど、今なおスタイリッシュ。こういう風に年を重ねて生きていきたいものです(笑)
あの頃も良い時代。今も良い時代。
モチヴェイション・ラジオ(紙ジャケット仕様)
ヴォーカル、リードギター、サイドギター、ベース、ドラム、そして、シンセサイザー!!!全てがバランス良く、どのポジションが欠けてもまた出すぎてもいない素晴らしいチームワークで構成されているこのアルバム!!
特にリズム体が素晴らしく、それ故にメロディー体が程良く酔いしれ、のびのびと自由に遊び廻る。
ドラマーのハイハットシンバルやクラッシュシンバルサバキは極めつけで、名人を通り越して、達人並みです!!!。
シビれました。