アイズワイドシャット (スクリーンプレイ・シリーズ―名作映画完全セリフ集)
映画のセリフなので普段ネィティブガ使う表現が満載です。注釈に細かく英語表現の解説が載っていて分かりやすいです。セリフ集と言っても、普通の小説のように読めます。
アイズワイドシャットは、さほど難しくない会話ですし、構成が見易いので購入して良かったと久しぶりに思えた1冊です。
映画を観ながらリスニングの勉強も出来て、楽しみながら学習できます。レベル的には中級~の方にお薦めです。
アイズ・ワイド・シャット オリジナル・サウンドトラック
キューブリックの遺作となったアイズワイドシャットのサントラ盤、この映画でトムはキューブリックに鍛えられたために時間を浪費し、トムは1億円を損したと揶揄されたが、この映画以降のトムの出演する映画では、演技の重厚感が以前よりも増したように感じた。トムにとってはターニングポイントとなった映画だと思う。このサントラでは、極度の緊張感をイメージさせる音楽や、宗教儀式的な音楽、4曲目のようなゆったりジャズ、心の不安を表現したような音楽、クールタッチなジャズなどが収録されている。映画の中のトムの微妙な心象をとらえる絶妙なこのトラック群が大好きで、気持ちが追い詰められた時や、ハイな状態の時に聞くと、非常に心が高揚するので、僕にとっては心理的な宝のようなサントラ盤です。時計仕掛けのオレンジやフルメタルジャケットも好きですが、「2001年宇宙の旅」でボウマン船長がHALのコンピュータを破壊するときに見えた8トラックカセットテープがとてもチープで好きです。
アイズ ワイド シャット [DVD]
わたしは十代のころリアルタイムで見ていました。当時の自分から見てもださくありませんでした。セックスの見せ方も物知らずな自分にも…まあいいでしょう。
でも、なぜか居心地の悪い感じがしたのも確かです。「時計じかけのオレンジ」「バリー・リンドン」といった文句なしの傑作を見た後の体験だったので、「これでいいんだろうか」という疑問のようなものがあった。
極めてよいものを撮りたいと思うのは当たり前。たぶんキューブリックは、自身で製作をし、スティーブン・スピルバーグ監督の「AI」も生きているうちに実行にうつしたいと思っていたのでは。結果として本作が彼の遺作になったのはなんか残念です。
スピルバーグ監督の「AI」の出来は悪いとは思いません。キューブリックにとって、映画というものが一枚の絵画だとしたら、スピルバーグにとっては、豪華なびっくり箱では。スピルバーグは観客をいかにあっと言わせるかに、そして怖がらせるかに頭を使っているのだとしたら、キューブリックはとにかく完成品を披露し、我々観客に想像力を使わせ、さまざまに解釈してもらうかにすべてをついやしていたのでは。それでは…やはりこのあやういゲージツ映画は遺作にはふさわしくなかったのでは。おかたいヒョーロンカは様々なこねくりまわしをするでしょうが、ストーリーがあまり深みに欠けるこの映画では我々一般観客はあまり喜びません。ただ、女の裸や乱痴気騒ぎ目当ての客しか集まらんでしょう。まあ映画が優れているのだからいいのですが。
他の方も書かれていますが、「AI」をキューブリック最後の作品、のほうがよかったのでは。十代のころの自分はまあ満足しましたが、なんか今、考えるとがっかり。