シュヴァイツァーの芸術 バッハ:オルガン曲集
流麗な演奏ではない、決して華やかな演奏ではない。ミスタッチさえ散見される。そんな演奏でありながら聴く者にバッハのオルガン音楽の新しい発見を確実に伝えてくれます。流暢にしゃべる人の言葉よりも朴訥で誠実なしゃべりをする人の言葉の方が説得力を持つことがあるように、シュヴァイツァーの演奏はバッハが配置した音符の意味を理解させてくれます。
これからバッハのオルガン音楽を聴こうとする人にも、ヘルムート・バルヒャなどの演奏によりバッハのオルガン音楽に精通した人にもおすすめです。
シュバイツァー 医療と伝道に一生をささげた聖者 (学習漫画 世界の伝記)
シュバイツァーのことがよく書けています。
シュバイツァーがアフリカに夫婦で赴いた使命感には大人が読んでも感服するしかありません。当時としてはおよそ前例がなく、現代の国境無き医師団の比ではありません。
子どもには、おそらくシュバイツァーがわざわざ自分のお金をつぎこんでアフリカでの医療へ赴く意味が理解できないかもしれません。神学の大学教授でオルガニストという宗教的背景については、この本はあまり強調せず、穏やかで思いやりのある医師としてシュバイツァーを描きます。小学生の子どもには十分な記述で、いずれ子どもは大きくなってシュバイツァーの本当の意味に再度触れ、改めてその偉大さを理解することでしょう。