Myこれ!チョイス 08 涙☆GIRL+シングルコレクション
「80年代のポップスが 聴きたくなったら是非この一枚! な〜んて。」…とご本人のブログサイトでは謙遜気味に告知されていますが、実際のところ堂々と「名盤」と呼んで差し支えないほど、相当程度に聴き応えのある傑作盤。「コンピューター・ジェラシー」のドスの効いた歌声でいきなり始まるので初見ビックリかもしれませんがすぐにその魅力に引き込まれます♪
アルバム本編は10曲中3曲がシングル曲で、統一感はなくごった煮の印象があるのですが、とにかく歌唱の表現力が段違い。音程もリズム感も完璧、パワフルだし、しなやかで情感あふれる歌声は声質も含めて聴けばいつでもウットリ。(声質がとても好みで好きです!)小林千絵の作品集として、それだけでも貴重かつ聴く価値があります!もしかしたら?因縁??もあるかもしれませんが、80年デビューの河合奈保子(の特に初期の楽曲と)比べてみると面白いです。奈保子の方はとてもスイング感があって語尾がハネる感じの歌唱が段々と矯正されて表現力が深まっていくのを感じ取れますが、千絵の表現力のそれは最初から相当完成されていることが分かります。アルバムの中で一曲をと言われれば私ならばシングル曲以外ではダントツでキュートでポップな「あなたはエンジェル」が良いです。
この再発売盤はオマケでシングル曲が付いていますが(特にA面曲はコンプになります)前述の通り要するにアルバムと全く同じテンションで聴き続けることが出来ます。初期作品の「FROM TIME IMMEMORIAL」「渚センチメンタル ステップ」もA面曲との対比で聴いてみると明と暗、陰と陽といった感じでしみじみ味わえます。(グルーヴ感あふれる「渚センチメンタル ステップ」では意図的な初々しさも感じられますね♪)そして「水色のカチューシャ」なのですがこれはもう問答無用で天変地異驚愕無比一世一代、(安易に用いるべき表現じゃありませんが…)まさに神レベルの名曲でしょう、この詩曲と歌唱が渾然一体となった奇跡の曲の歌唱を、是非とも多くの人に聴いてもらいたい…!!!!!
収録されているシングル曲で漏れてしまったB面曲はすべてシングルコンプ盤(Myこれ!クション 小林千絵BEST)で聴けますのでそれもどうぞ。特にこちらで漏れてしまった「あなたの手紙」がおススメ中のおススメ!です。(石川優子のファーストアルバムにも同じ曲が入っていますが曲調が全く違います)
牧場の少女カトリ(4) [DVD]
第四巻でカトリは家畜番なのに奥様を元気にしたということで休みをもらったり、服を作ってもらったり、果てには
羊をひろったりとかなりラッキーです。でも、羊に「シロ」というありきたりな名前をつけ、かわいいでしょ?
という辺り、いかにも実際的で堅くて笑っちゃいます。
麻の刈り入れの手伝いで、何度も麻を一纏めにするのに失敗した後、「できた!」と地味に喜んでいる辺り、カトリらしい。
また、カトリは独立運動に携わる青年アッキから勉強する大切さを学び、毎晩毎晩本を読み始めます。
本当に真面目一辺倒な女の子で、あぁ、がんばらなきゃな、という気にさせられました。
そんな、地味ーな話なんですが、どうしておもしろいんだろう?というのは相変わらずでした。
地味で真面目で何の面白みも無いはずなのに何度見てもあきない、おもしろい、というの、カトリ全巻に渡る共通のテーマです。
また、主人公の声優さんはアニメチックなアニメサイドの方らしく、世界名作劇場の中では新鮮で好きです。
風景にも温かみのあった第三巻とは違い、ここから数巻、太陽のほとんど出ない冬に向かって次第に厳しさを見せていきます。
フィンランドの素朴な、わびしい情景と静かな迫力のある音楽が、冬が近づいてきてより一層の調和を見せ始める
第4巻です。20世紀初頭のフィンランド、刈り入れの秋、なんだか厳しさが妙に伝わってきて、一層
真面目な登場人物たちの描写がリアルに見えます。
牧場の少女カトリ (絵本アニメ世界名作劇場)
キッズステーションでたまに放映されるダイジェスト版の絵本化に近いと思う(絵本にはカトリが試験を受けるシーンがある)。ダイジェスト版は省略が行われる。そのためカトリにとって重要なキャラクターであるマルティが登場しない。テレビ放映された『カトリ』を見たことがある人にとってはちょっと不満かもしれない。そのため減点である。
けれどもテレビ放映された『カトリ』を見たことのない人が読む場合、問題はないであろう。『牧場の少女カトリ』は名作の中でも「傑作」だと個人的に思っているので、病院の待合室、幼稚園ないし保育園に置いて損はないと確信する。
牧場の少女カトリ(2) [DVD]
牧歌的といってこれほど牧歌的な作品はありません。このアニメでは大きな出来事などほとんど起こらず、
カトリが地道に、真面目に、正直な良心のもとに夢を抱き、周りの人の優しい助けのもとに成長していきます。
何も起こらないからつまらないはずなのに、どこがおもしろいのかもわかりませんがおもしろい。
なんだか一生懸命に働くカトリに見入ってしまいます。作品中でカトリが働く様はオープニング映像そのままです。
牛番として朝から夜まで働き、手伝いをして、さらにその後聖書や叙事詩などの本を読んで勉強します。
実際に大学の実習で牧場で牛などに触れ、牛30頭の番をする大変さを知りました。牛って結構凄まじいんですが…。
がんばって、がんばって、ただそんな描写に釘付けになってしまいます。
この巻ではライッコラ屋敷に雇われ、隣の屋敷で働くペッカと話をしたり、子供を亡くして変わってしまった奥様に
ほんの少しずつ愛情を呼び起こさせたりしていきます。
一人ひとりのキャラクターが丁寧に描かれていて、ペッカやアンネリさんなど、とってもいい味を出しています。
なんだか地味なんですがおもしろいです。人物描写が落ち着いていて、丁寧で、とても親しみを感じます。
ああ、ペッカみたいな友達いたなぁ、とか、アンネリさんみたいな人いそうだなぁ、とか。
そんな共感がもてるのがルーシー、アンネット、カトリと続く三作品だと思います。
第九話でカトリが具合が悪くなって見る変な夢、悲しい夢などの描写もなんだかリアリティがあります。
また、シベリウスの音楽が流れるフィンランドの情景もきれいです。
また、蛇足かもしれませんが、つくづく日本語の変化に気づかされます。もちろん今のような耳当たりの悪い
略語の氾濫や言葉の乱れなど全く無く、また、驚いたことに発音の仕方も違います。
「ライッコラ屋敷」と発音する時と「ライッコラ」と発音する時、今は高低を変えて発音をしますが、この作品中では
同じ発声をしています。昔ってこうだったのでしょうか?
牧場の少女カトリ(1) [DVD]
カトリは(確か)19世紀初頭フィンランドを舞台にした作品です。
オープニングテーマも印象に残りますが、オープニングで糸車で糸を紡いでいる姿も印象的です。
オープニングを見ていると、もうとにかく働いています。パンを焼いたり、草を刈ったり、糸を紡いだり...こんなに働いてたら死んじゃうんじゃないかってくらいに...
日本アニメーションの名作アニメシリーズは、カトリから徐々に主人公が苦しい境遇の中で耐えて行かなければならないという作品が続きます。
以前見てからだいぶ経つので覚えていませんが、カトリも私の大好きな作品でした。
お勧めします。