メシ喰うな
バンドは伝説のバンド、アルバムは80年代のインディシーンを代表するアルバムの一つ…とよく言われるが、その音楽性は、当時活動していた「非常階段」に代表されるアルケミー勢、「有頂天」に代表されるナゴム勢の飛び具合に比べると、きわめてシンプルでオーソドックスなロックである。
にもかかわらず、このアルバムがシーンを代表する一枚と呼ばれるのは、やはり、町田町蔵のジョン・ライドンの影響を受けたボーカルスタイル、その独特の言語感覚(作家にネってより磨きがかかった)と多少とぼけたキャラクター、そして、彼の鋭い眼差しを大写しにしたアルバムジャケットである。
当時このアルバム(当然レコード)を見たときのインパクトは強烈だった。フリクションの「軋轢」などとともに80年代インディシーンのヒリヒリした空気を見事に切り取った傑作である。デザインは原耕一。彼は、80年代のサザンのアルバムジャケット(例えばKamakura)を手掛けたアートディレクターである。
発表当時のインパクトはないが、今聞いても決して古くはない。いいアルバムである。だから、30年近く経ってオヤジになった私が、CDを買って今でも繰り返し聴いているのかもしれない。CDになっても音の悪さは変わらないが、当時の雰囲気を知るためにはこれで良い。
ベスト・オブ・ザ・ベスト
アルバムごとにアレンジがだいぶ違う真理さんの曲を、「ひとつのアレンジ」で古い曲から新しい曲までを作りあげたような感じのアルバムです。当時の名曲を新鮮に(でもどこか懐かしく)聴けます。まりん、天使の絵の具、メロディは特に良い。