朝のステーキ
元GREEDY GREEN、福岡史朗のソロ6枚目。
これまで幾度と無く傑作を放ち続けてきた彼なので、今作も傑作であることは予想するまでも無いこと。
その上で、今作は一層バンドサウンドが前面に押し出され、よりシンプルに、楽曲や演奏の「骨」で勝負したように感じる。
しかしここまでシンプルにすると、大抵は〜みたいとか感じたり、何かの影響が中々隠せないもの。
特に、洋楽に影響されても自らの色を出せるなら問題は無いが、洋楽をなぞっているだけだと悲惨で、
それはもはや元ネタを聴けば済む音楽になってしまう。
重要なのは、替えが利かない音楽をやることであると思う。このアルバムを聴いて、そう強く感じたのは、福岡史朗の音楽はまさにそうだと思ったからだ。
幅広いアレンジ、特徴的な歌声、そして歌詞とメロディの組み合わせ、全てが合わさってようやく完成されており、決して他人には作れない音楽。
それは英語では絶対に成り立たないものだし、日本語の素晴らしさを凝縮させた、最高のロックンロールであると胸をはってオススメできる。
ここまで日本語のロックンロールを完成させたのは他には忌野清志郎くらいのものだと思う。それくらい偉大だと言っていい。
これは決して言い過ぎなんかじゃないと、このアルバムを聴けば分かる。絶対に。