そらをみてますないてます
この本を一言でくくれば「波乱万丈の人生を泳いできた著者の血湧き肉踊る熱血青春小説」ということになるのだろう。そこでは大学を中退した著者が、東京五輪景気に沸く東京の工事現場で日雇いの土方仕事に汗水を垂らしながら、「官能の肉塊」とでもいうべき謎のファム・ファタールをめぐってやくざと命の遣り取りをしたり、掃きダメに鶴のような美少女と遭遇して運命的な恋に墜ちたり、ふとしたはずみで流行作家になってしまう顛末が、心を明るく楽しく浮き立たせるような達意の軽妙な文章で550枚もの長きにわたってぐいぐいと書き続けられる。
しかも、これを時間軸に沿った小説の通奏低音としながら、80年代に著者が敢行した楼蘭やロブ・ノールやタクラマカン砂漠や零下50度のシベリアの最極寒地や、『北槎聞略』に出てくるアリューシャン列島の無人島や南米最南端の孤島や、世界辺境旅行の途方もない冒険譚が、その70年代の通史を鋭く断ち切るように幾たびもインサートされる。
そこでは「大過去」と「過去」という2つの時間が、たえず「現在」という同一平面上に召喚され、著者の自分史の巻物の中で精密に再現され、観察され、改めてレイアウトされていくのだが、それはとりもなおさず著者が自分の辿って来た数十年を、新しく現在の地点から生き直そうとする営為のように思えてくるのである。
そして気がつけば私たち読者も、著者と共に井の頭公園のベンチに腰掛け、未来の妻になるはずの美少女がつくってくれた小さめの海苔むすびを「ああ、みんなうめい。なにもかもうめい」と叫びながらほおばっているのだった。
そう、これは著者と一緒に若き日の見果てぬ夢を、人生の未踏のクライマックスを、ぜんぶ生き直すための書物だったのである。
[虎屋]まぼろしの手延べうどん焼きあごだし10食セット【椿うどん】
うどん自体の味が他のうどんと違います。家族で作っているからこそでしょうか。食感も良く、あごだしとも良くあい、大変美味しくいただけました。
玉ねぎフライパン作戦 (角川文庫)
夕刊フジに一週間に一回掲載されていたコラム・エッセイが4年間も続いたものが単行本化されたものの文庫本版です。
よってコンパクトな文章の中に椎名氏のユーモアに満ちた文章が凝縮されていて楽しく読めます。内容的には同時期に「釣り丸」に掲載されて後に単行本化された「わすらは怪しい雑魚釣り団」の時代にかぶっていてその話題について語られている回が多々あります。
あとは北極圏での禁酒生活の切なさや、細君が海外取材中の独身自炊生活も話題の中心になっています。
ほのぼのとした気分になりたい時にちょっと一話、二話読むつもりがいつの間にか引き込まれて読み続け、更にはそっと寝に入っている精神鑑定剤のような本です。
LISTEN! BARBEE BOYS 4
このアルバム以降、パワーダウンを感じるのはワタクシだけでしょうか。。だから、というわけではないが、このアルバムは完成度が高いかな☆なんか昔を思いだし切なくも淡い楽しい記憶がよみがえり、たまらなくなります。別段タイムリーに聴いてない方でもグッときますよ