カルメン (岩波文庫 赤 534-3)
1845年10月にリリースされたメリメ作のこの「カルメン」が、その後いろいろと現れる「カルメンもの」のオリジナルである。カルメン・マキしかり、ピンクレディー歌うところの「私の名前はカルメンでっす」、しかり「もちろんあだ名に決まってまっす!」であり、これらは二番煎じ、三番煎じ。日本映画では「カルメン、故郷に帰る!」ってなこともあった。その他、オペラあり、映画化があり・・・・・。
当初、「私」が旅行中に偶然出逢い、意気投合した盗賊の頭ドン・ホセが、その後「私」となって物語る武勇伝の数々。ホセが一目惚れしたのが人妻カルメンだったから、話はややこしい。このカルメンなるジプシー女もなかなかの性悪女で、一筋縄ではいかないが、このホセに惚れちまうってんだから話は面白い・・・・・
初訳リリースが1929年4月ということだから、相当昔の話になるが、その後改版はされても、翻訳は変わっていないようだ。80年以上前の翻訳でも十分21世紀でも通用するのだから、杉先生の翻訳は当初から素晴らしいものだったと言わざるを得ない。
カルメン [DVD]
この作品を初めて観た時から早や20年以上が経過しますが、その時の衝撃は今だに忘れ難い。現実と虚構、虚構と虚構が交錯していく映画的、舞台的構成も見事でしたが、なにより、ダンスの迫力と美しさが圧倒的。ダンスでスロー・モーションを演じ、ダンスでストップ・モーションを演じきる。当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、これが本物のプロのダンサーなのかとそれこそ目を丸くして眺めていたのを思い出します。アントニオ・ガデスは勿論として、フラメンコ・ギターの大御所、パコ・デ・ルシア、スペインを代表するフラメンコ・ダンサーのクリスティーナ・オヨス等のスーパースター達が、リハーサル風景という設定の中に、さりげなく普通に登場しているのが凄すぎるくらいでした。この作品を観たら、この本物の舞台までをも必ず観たくなってしまうに違いありません。圧倒的なダンス映画です。
メタルマックス3(通常版) 特典 山本貴嗣先生謹製豪華描き下ろしコミックス付き
なぜ賞金首を狙うか…
人々を救うため?
ま、それもある。
新しい世界に進むため? うん、それもある。
けど本当は…
賞金が欲しいから!
強くなりたいから!!
戦車を改造したいから!!
自分好みの戦車ができたら、もう最高です!
綺麗なムービーはありません。 魔法もありません。悪魔合体もありません。
人によって、楽しみ方や好みが違うのはわかります。
しかし、 戦車に乗ったり、自動販売機でロケット花火買ったり、金属探知器でいい物探したり。
この世界でしか味わえない楽しさもあります。
何か、普通と違うRPG がしたくなった時、手にとってみて下さい。 楽しいですよ。
カルメン (新潮文庫 (メ-1-1))
メリメの短編集です。
純粋でまじめな下仕官の男が、カルメンへの恋の情熱と、彼女の目まぐるしい奔放さと無邪気さに翻弄され、やがて悲劇を迎える恋物語です。
小説は告白体で語られ、第三者の立場から語られる冒頭から、下仕官の告白にかわる妙は、夏目漱石の「こころ」と同様洗練されています。
表題のほかに収録されている短編のなかでも、「タマンゴ」「マテオ・ファルコネ」は、カルメンに比肩するほどの氏の傑作です。
いずれも語り口の簡潔さが美しく、内容も明確で充実しています。寓話的で、読後感の余韻もあとをひきます。それぞれ単独で店頭に並んでもおかしくない作品群ですので、この短編集はとてもお得です。
私はこの本を昔何度も読んだことがあります。個人的には「エトリュスクの壷」の作品も可愛げ気があって、上記3作品ともにおすすめします。