人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)
山風は死に取り憑かれた作家である。作品のなかで死はどのような意味を持つのか。まずは小説をまとめあげるために「死」は利用される。あの世とこの世を自在に往来できる人物が作品の謎を解いて犯人発見、あるいは事件解決へのカギを提供する。だから死者は生きる者たちの世界を司る証言者としての役割を果たす。作家へのよき協力者である。フィクションを離れたエッセイのなかでも「死」が語られるが、語られる死は死に至るまでの生と裏表の関係であり、両者のあいだにどのようなバランスがあるのか、はたして「秩序」はあるのか、といった山風観察者としての立場をうかがわせる。おびただしい死を語っても、最後まで作家は求める「秩序」を掴めなかったようである。フィクションとドキュメントの違いであり、エンターテイナとしての山風と文学青年山田誠也との違いでもある。
バジリスク ~甲賀忍法帖~【完全予約限定生産】 [Blu-ray]
以前出たDVDBOXを買い逃してしまってオークションなどで探していたのですが4万円代でなかなか手が出せなかった自分としとは、新品BDでこの値段なら満足です。
漫画版から更に掘り下げられたキャラクター一人一人に愛を感じます。 序盤の超人的な忍法でのアクションシーンが非常に見物です。特に第1話はワイヤー状の武器を駆使してのアクションが好きな方にはたまらないと思います。
ガダラの豚 1 (集英社文庫)
アルコール中毒、奇術、呪術、ドラッグ、テレビ業界、スプラッターホラー、中島らもの著作を読んだ人であれば、どれも中島らもが関心を持っていた分野を融合させたエンターティメント作品であることがわかると思います。
特に、新興宗教の怪しさを書くことは、当時のタイミングとしては
なかなかできないことだったと思う。
直木賞候補にもなった作品なんですが、残念ながら選からは漏れています。
中島らもの良いところ、「達観」「中庸」が 賞レースのような「自己主張」にはなじまなかったのかもしれません。
もう中島らもには会えませんが、彼の作品には会える。
私のオススメは「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」「お父さんのバックドロップ」「今夜、すべてのバーで」 です。
人って、男ってどうやって生きて行ったらいいのかな?
そんな私の疑問に いつも真正面から応えてくれた 中島らもさんに ★5つ。
人間臨終図巻1<新装版> (徳間文庫)
独特の作風で知られる作家・山田風太郎が、英雄、武将、政治家、作家、芸術家、芸能人など923名の臨終の有様を、容赦のない筆致で描き出し、亡くなった年齢の若い順から並べた『人間臨終図巻』(山田風太郎著、徳間文庫、全4巻)は、一読に値する。
風太郎の「いろいろあったが、死んでみりゃあ、なんてこった、はじめから居なかったのとおんなじじゃないか、みなの衆」という言葉は、妙に説得力がある。例外なく、否応なしに、死は全ての人間に訪れるが、このように考えると少しばかり気が楽になる。
英国の批評家・エッセイスト、ウィリアム・ハズリットが『テーブル・トーク』の中の「死の恐怖」に記した「かつて自分が存在しない時があったことなど、誰も気にしない。とすれば、自分がいなくなる時が来ることも、何でもないはずだ」という一節も、風太郎と同じことを言っている。
魔界転生 [DVD]
おもしろいにはおもしろいけど…。うーん。
佐藤浩市はかっこいい!でも、窪塚の天草四郎はなあ。
似合ってないというか、妖気のオーラがまったく足りない。
素の窪塚がしゃべっているようで、感情移入できませんでした。
カメラワークもカット割りもうまくなく、
映画全体のつながりが悪いと思います。
全体にセンスがないというか、ひどくアンバランスで。
もっと斬新な映像が見たかった。
監督の手腕の問題が大きいのかな。
音楽には緊迫感があったけど、印象に残るメロディではありませんでした。