マイネーム・イズ・ハーン [DVD]
年間約200本の洋画をみていますが、その中でもこの作品は秀逸を極めています。
とにかく、感動するあまり涙がとめどなく出てきてどうしようもなかった。
そんな映画って、ほんっとに少ないのですが、たまたま手に取ったこの作品が感動を呼び起こしてくれました。
それは、ひとは必ず持っているだろう一途でピュアなこころの奥底から発するものにきっと共感することと思います。
それは、政治や宗教、人種を超えた深くてやわらかく包み込む”美しい純真の愛”をテーマにしています。
全体的にはヒューマンドラマのスタイルを取っていると思いますが、その起点は混ざりっけのないピュアなきもちを伝えるラブストーリーから発しています。
アスペルガー症候群のハーンは、母が他界して弟を頼ってアメリカに来たのです。
そこで、マンディラという”良い”女性と出会い、恋に陥るのですが、家庭を持ち最高に幸せだったところに、9.11以降に悲劇が起きてしまうのです。
「私の名はハーン、私はテロリストではない」、ただそのひと言を大統領に、それだけを言いたいがために歩き続けるのです。
巡礼のように。
それが認められれば、彼は幸せを取り戻せるのです。
それは人びとの幸せにつながるものなのかもしれません。
少なくとも、この映画をみると、こころが洗われ幸せな気分に浸ります。
上映時間162分と長いですが、決して飽きることはなく、見応え十分。
是非おススメします。
The Name of the Wind: The Kingkiller Chronicle: Day One
近ごろはファンタジーのベストセラーが出ると何でもかんでもハリポタと比較されるが、少なくともこの本をハリポタと比べるのは全くのナンセンスである。
ハリポタは完成されたファンタジーだし、大人が読んでも面白いが、あくまで児童文学として書かれている。差別などの社会問題や戦闘シーンはあえて適度にぼかされているし、ハリーがほとんど大人になってもセックスしたりしない。
それに対してこのKingikillerシリーズは、大人(ヤングアダルト以上)向けに書かれたファンタジーである。世界設定(中世〜近世ヨーロッパ風)に当然付随する、差別などの社会の負の側面をくっきりと描いている。戦闘描写はリアルに痛そうだし、セックスもおおっぴらに出てくる。同じファンタジーでもジャンルが違うのだ。
ストーリーの本筋は、幼い頃にすべてを奪われた主人公の復讐の物語である。暗い部分はとことん暗い。ただ、暗い部分と明るい部分が交互にやってくる構成になっているので、暗すぎて読んでいられないということは(たぶん)ないはずである。
物語は、(王殺しとして悪名高い偉大な魔法使いのはずなのに)なぜか片田舎の宿屋の主人に身をやつしている主人公が自らの人生を語るという形の一人称で記されている。もっとも、ページの比率で言えば過去98:現在2くらいになるのでしょっちゅう視点が変わる話は苦手という人も心配いらない。
主人公のKvotheはオールマイティな天才な上にハンサムなナルシストで、はっきり言って近くにいたら鼻持ちならないやつに違いない。おまけに倫理観もちょっと欠けていて、モラルにこだわって目的の達成をしくじるようなことは決してない。ルール破りを反省もしない。
しかし、読者はKvotheの不幸すぎる境遇を知っているのでばっちり感情移入できる。Kvotheが数々のピンチから魔法の才能や機転や口先のごまかしや嘘を駆使してぬけだす様はめちゃくちゃ痛快である。シブいおっさんが主人公のファンタジーもいいが、若い天才が起伏の激しい人生の絶頂期をドラマチックに駆け抜ける物語はやはりエキサイティングだ。
また、世界設定が非常によく作りこまれている。
作中世界では黎明期の科学と魔法(みたいなもの)が共存している(ちなみにKvotheはUniversityでどちらも学習することになる)が、「魔法」の方の論理にエネルギー保存則や質量保存則がしっかりと組み込まれているのがFとSFどちらも好きな読者にはたまらない。高校程度の物理や化学をしっかり理解しているとニヤリとできる描写が多く出てくる。
また、歴史や文化人類学や神話といった分野に興味がある人が楽しめる設定も盛りだくさんである。数千年前に滅びた謎の大文明、一神教を広めた帝国、遠隔地のまったく独自の文化、古代の神話や英雄譚など、どれも非常にリアルに作りこまれていて、著者がそれらの分野に精通していることをうかがわせる。
シリアスなファンタジーファンは必読のシリーズである。ただし、あまり設定などに興味がなくて話がどんどん動いたほうがいいという人にはちょっと退屈かもしれない。700ページ近くある上に、話が本筋からしょっちゅう脱線するからだ(その脱線が作中世界とKvotheの人生にリアリティを与えているのだが)。
最後に1つ。作者はブログを運営しているので、作者のファンになった人はチェックするといいかもしれない。作品についての質問についてもたまに答えている。たとえばKvotheの発音。日本語訳だと「クォート」となっているようだが、作者によれば「クヴォート」(トはthの音)が正確らしい("Kvothe pronunciation"で検索すればブログの記事が出てくるはずである)。
CASIO カシオ ネームランドテープ XR-12WE 12mm ラベルライター用カセット
年を取ったので見えにくい感があり、大きめの文字で仕分けをするために買いました。
文字が大きいのではっきりわかります。
昔のネームランドでほこりをかぶっていましたが、重宝しています。
ドット水玉蝶ネクタイ
夏に親戚の結婚式があるので、それに参列するために購入しました。ヤイシャツ、ズボンは○ニクロで準備できましたが、蝶ネクタイがなく、近所のスーパーにもなく、最近は洋服屋さんもないので、、、。そうだ、とりあえずamazonで探そうと、、、。見つかりました。助かりました。
キングキラー・クロニクル 第1部 風の名前 上巻 (キングキラー・クロニクル 第 1部)
ファンタジーらしからぬ劇画調の表紙で何事かと思って手に取りました。
居酒屋の主人クォートが、現在の姿に似合わぬ過去の伝説的活躍を語るという構成ですが、
ちょっと間を持たせすぎというか、秘密を小出しにしすぎているように思えました。
帯の「ハリー・ポッターを卒業した読者に贈る…」という文句は、たぶん、
魔法学校ものというジャンルを意識してのことなのでしょうが、
上巻の段階ではまだこのジャンルに分類できない状態です。
とはいえ、クォートが旅芸人として暮らした子供時代のエピソードはどれも魅力的ですし、
情感をかきたてる描写にとても長けた書きぶりなので、
じっくり最後まで読んでやろうという方にはおすすめできます。