寒椿ゆれる―猿若町捕物帳 (光文社時代小説文庫)
短編3話構成。
★『猪鍋』
玉島千陰の父千次郎とその後妻の間に子供が出来た。だが、後妻のお駒は、つわりがひどく食欲がない。千陰は36歳独身で玉島家の跡取り問題も浮上中!?そんな折り、風変わりな娘おろくとの縁談話しが…!
★『清姫』
清姫を演じていた若手女形が、ネコ目の娘に斬りつけられた。だが、被害者は見に覚えがなく!
★『寒椿』
伊勢町の内藤屋に盗賊が入った。手引きしたのは下町奉行の大石だというが…。どうやら何者かに陥れられた!?
全体的にとっても面白ろかった。登場人物達が、とても個性的であり魅力的だった。捕り物帳としてはもちろん。おろくと千陰のビミョウな関係が微笑ましかった。おろくの想いと大石の想いが、淡く切なかった