マイマイ新子 (新潮文庫)
自分の生涯でもっとも輝ける時代は小学校の六年間だと思っている
だって、昭和三十年代、東京五輪が開催されるまでの
豊穣が詰まった時を過ごせたから。
確かにノスタルジーを味わいたいといえばそうですが
その時代を知っている人間が描いてくれた
風や木や季節の香りを体で覚えてる私には
本当に子供時代に一瞬で戻ったようで
読み終わった後、なんとなく泣けてきてしまいました。
昭和三十年代のありのままを伝える
愛する「サザエさん」とアニメ「となりのトトロ」
そこにもう一冊「マイマイ新子」が加わって
タイムマシンが手に入れた気分です。
透光の樹 [DVD]
日本映画もついにここまできたんだなと思わせる名作です。詩情と官能にあふれ、なおかつ悲しいまでに透明感があります。日本映画で私が感動したのは小津作品以来です。
長島さんは骨のある男の純愛を、秋吉さんもみずみずしく激しい愛を見事に演じきっています。
秋吉さんは、際物的イメージの強い女優でしたが、大変な実力があり、才能にあふれていることが、この作品ではっきりとわかりました。感覚的でありながら、頭の良さを感じさせる本格派の大物女優です。
透光の樹 (文春文庫)
赤坂の喧騒の中にいる業界人 郷が、25年ぶりに訪れた北陸で出会った、千桐(ちぎり)。”恋心、と呼ぶより下心にしてしまった方が気が楽だ”とうそぶいてみる。でも、”自分がまだこういう妙な感覚に揺さぶられることが可能なのだと、驚く。下半身の単純な欲望ではなく、体のもっと上の方、胸のあたりから、切なくうずきながら下半身に訴えかけてくる感覚”を覚えながら恋に落ちていく。そして相手を包み込むような体制での交わりに、安らぎと興奮を覚えていく。そうして、一人は朽ち、一人は心に恋を秘めたまま、ゆっくりと歳を経て行き、そのドラマは胸に秘められる・・・・。そんな情景が、丁寧に丁寧にキャンパスに色を重ねるように塗りこめられて行き、読み進むと豊穣な吟醸酒を口に含んだ時のように、口に芳香が広がる。こういう丁寧な叙事詩は、女性の作家の方が味わいがある。 私は、ナットキングコールの”キサス・キサス・キサス”の懐かしい声を聞きながら、東京と北国の恋に想いを馳せ、文章を味わった。
きのこ文学名作選
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■■あめの日■■八木重吉■■■
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■■しろい■きのこ■■■■■■■■■
■■きいろい■きのこ■■■■■■■
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■■あめの日■■■■■■■■■■■■
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■■しづかな日■■■■■■■■■■■
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☆「なに言ってんだ?」と思われたでしょうが、
本文そのまんまなんですよ、コレで…
しかも、『キノコのアイディア 長谷川龍生』は
コレよりさらに上です…
内容どーこーより、出版物としての限界に挑戦した
チャレンジ精神が素晴らしいですね(笑)!