世界の名機シリーズ F-15 イーグル (イカロス・ムック 世界の名機シリーズ)
初飛行から四十年。
地政学上の焦点を飛び続けているF-15のムック本です。
『世界の名機』シリーズの売り物である美しいカラー写真が満載で、眺めるだけでも楽しいです。写真は紙質や印刷も良くて細かなディティールが観察できます(が、模型やイラスト制作の資料には物足りない)。
図版を使用した機体解説や巻末の年表も良くまとまっています。
ただ文章の方はあくまでも基礎知識的なものしかなく『世界の傑作機』のような「読み物」としては物足りなく、あくまでも入門用と捉えた方が良いですね。
F-15のモノグラフとはいえ本国、各国型etcと守備範囲が広いため個々の内容は薄いのですが「世界のF-15」「F-15の世界」を知るにはうってつけの一冊です。
値段もお手頃ですし、買って損はないと思います。
藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 15: 藤子・F・不二雄大全集 第3期
※藤子・F・不二雄大全集15巻のレビューです。
連載初期の「ドラえもん」と比べると、笑わせ方も大分変わってきました。初期は道具の効果そのものによるドタバタが主でしたが、この頃になると、のび太たちキャラクターの織り成す間合いを主に笑わせるように変化しているように思います。1975年度生の小学二年生掲載分あたりがこの巻の中でも最もノリがよく面白かったです。
また、のび太へのいじめの内容にも変化が見られました。
ジャイアンの暴力、スネ夫の仲間外れといったいじめがテンプレート化してきたこともあるでしょう。「アニメばこ」では、3人用のビデオ(!?)という迷言でセルフパロディを行っています。
しかし「ないしょ話…」や「無視虫」ではいじめに陰湿さが加わっており、ドラえもんもいじめに対して激しく怒りをあらわにしているところはこれまでとは大きく異なっています。藤子先生のいじめへの視点が「少年時代の思い出」から「(連載当時の頃から)社会問題化したいじめ」へと変わっていることを窺わせます。