LIVE IN JAPAN
ジャコは終始楽しそうにプレイしており、観ている側も楽しくなります。
相変わらずインプロヴィゼイションもあり緊張感も楽しめました。
ビッグ・バンドゆえ分厚い音圧に圧倒されます。ジャコの他のライヴとは一味違う本作の醍醐味の一つです。
オセロ・モリノウのスチール・ドラムは何時観ても凄い!
また、チューバがベースラインを吹き、ジャコがソロを弾く場面もあり。ベーシストにとっては有難いシチュエーション。安定感のあるベース・ソロになっています。
最後の曲はユニゾンで締めるのですが、その一部でジャコが弾いてない(弾けてない)部分あり。神様もやはり人間だったのね、と安心しました。
このレヴューを書きながら「ワード・オヴ・マウス」を聴いています。
Jaco Pastorius: A Step-By-Step Breakdown of the Styles and Techniques of the World's Greatest Electric Bassist
”ベーシストになりたい”というより”ジャコになりきりたい!”人にお薦めの楽譜です。
ジャコ・パストリアスの譜面は和・洋書、かなり出てますが、この楽譜のいいとこは何といってもCD付ってとこですね。
ジャコ独特のアノ乗り、リズム、タイム、グルーヴ感は、絶対楽譜だけじゃ掴めないんで、この模擬演奏CDは本当に感謝です。ミュート音を細かく各弦に割り当てているあたり、このDAN TOWEYって人相当なジャコフリークとみた。(まあそんな人、世界中にいっぱいいるだろうけど
・・・)
もし楽譜だけじゃ、見てるうちに混乱しちゃいますね。
「ここは弾いて、ここは?えっ?ミュートか・・」みたいな。ジャコ的音楽背景がない日本人としては目からウロコでした。
日本を代表する”ジャコ人”、M氏やH氏の運指と比べてみて、どれがよりホンモノのニュアンスに近いか、探るのもおもしろいでしょう。
そこまで追求する価値がジャコにはありますからね。
Word of Mouth
80年代がどのような時代だったかという問いに答えるには十分な時間や歴史を重ねた今となってはそれほど難しいことではないのかもしれない。しかし、ジャズの本流を50年代〜60年代に置いたものにとって、エレクトリック、ファンク、フュージョン、ブラック・ミュージックなどが渾然と押し寄せ、なおかつ新伝承派的なオーソドックスなジャズとの混沌とした世界に自分を見失う思いがするのだ。もちろん時代は動いているし、リアルタイムに自己の時代の空気を感じていればいいのだろうが・・。そんな時、このアルバムと出会った。80年代以降、ベーシストの存在がグループのあり方を決定するほどの影響力を持つことに驚きを禁じえないが、ジャコもまた、そんなミュージシャンとして、WRに参加し、グループに大きな足跡を残した。ジャコの最高傑作の呼び声高いアルバムだけに、期待して聴いた。ハービー・ハンコックやショーターといったかつての大スター(現在もそうであるが)を脇役に、天才ジャコが、80年代ミュージックを展開している。そのサウンドは、超絶的なベースのテクニックや総合的に構成されたアレンジの凄さだけでは形容できそうにない何かがある。単に、ポップであるわけでも、前衛を気取っているわけでも、ハードを売り物しているわけでもない。たた、ここにある音楽がおそらく80年代の最良の音楽の一つであることは確かであろう。
ワード・オブ・マウス ジャコ・パストリアス魂の言葉
ジャコは好きでCDをときどき聴いています。悲劇的な人生を送った人だというイメージを持っていましたが、この本を読んで、本当はとても真面目な好青年で、音楽と真剣に向き合ったミュージシャンだったんだと知ったのは大きな収穫でした。自分を形つくったのはフロリダという土地だったこと、家族への深い愛、どうやってテクニックを身につけたか、といったことををジャコがとても率直に語っているのに感動しました。影響を受けたベーシストとして、ジェリー・ジェモットやモンク・モンゴメリーなどと同時に、エリントン・バンドのジミー・ブラントンの名を挙げているところなど、ジャコの音楽の奥深さの秘密を知る思いがします。とにかくこれはジャコという人間と音楽を理解する上で必読の書だと言えます。
Jaco Pastorius: Modern Electric Bass [DVD] [Import]
教則ビデオとしてはネイザンイーストやマーカスミラー、その他スタジオミュージシャンというかベース職人の方たちの作品の方が優れていると思います。が、「ジャコはこんな事をやっていたんだ、へぇ~」と観ていて思いました。二十分にも及ぶデモンストレーションは必見です。