魔利のひとりごと (ちくま文庫)
森茉莉さんの作品は、とにかく言葉が美しいの一言に尽きます。どの表現にも徹底的な西欧趣味と言葉の美しさへのこだわりを感じます。昨今ではなかなかお目にかかれない、「美しい日本語」に触れたい方、菫や薔薇という言葉に(カタカナでなく漢字で表記するところも森茉莉さん流のこだわりですね)惹かれる方、そしてどちらかといえば、英吉利(イギリス)よりも仏蘭西(フランス)贔屓な方におすすめします。
エッセイで、比較的読みやすい構成なので森茉莉さんの美の世界への入門書としても、是非どうぞ。
ベスト・オブ・ドッキリチャンネル (ちくま文庫)
編者の中野翠があとがきに書いているとおり全集のを読むべきだろう。やはりダイジェスト版ではだめなのだ。あくまでも中野翠の選択した文章だけを読まされるからだ。しかもこういう時評は連続した時間の経過の上に書かれる。週間新潮に連載されていたのだから週一のペースで書かれている。飛ばしちゃだめだよ。全部読まなきゃ。全集のを読むと著者の生活態度やその日の気分がよくわかる。調子の善し悪し。筆の進捗具合等々を読むのがおもしろいのだ。
私の美の世界 (新潮文庫)
森鴎外の娘という育ちのよさや、一流の感受性と美意識を持つ森茉莉のエッセイは耽美で美しく、うっとりしてしまいます。が、それと同時に、独特のものの考え方は痛烈でユーモラスで、共感したり、くすくす笑ったり。
世間知らずの怒りん坊なところも、なんだかかっこよくて、こういう人が友達だったら、最高に面白いだろうなと思ってしまう。
おっぱいハート~彼女はケダモノ発情期ッ!?~爆乳チアっ娘・茉莉~特濃ケダモノミルク搾り~ 初回限定版(DVD)
一昔前に、【そらのいろ、みずのいろ】でブレイクした【2匹目のどぜう】の作品です。
ストーリーは、諸々の事情でジャケットの娘と孕むまでHしまくるだけの、ストレートな展開です(笑)。
全編通して和姦オンリーで、前半は制服と裸エプロン、後半はチアリーダーと私服です。
下着の描写は原作とは異なり、上はノーブラ(?)で、下は白色系のショーツです。
おっぱいを売りにしている為、プレイには【パイズリ】や【後背位からの搾乳】が多様されています。
またタイトルにもある通り、絶頂に達するとおっぱいからは【ケダモノミルク(!?)】が滴り落ちます。
そして終盤では念願の妊娠が発覚…。
ハラボテプレイも少しあります。
作画は【PoRo】ブランドに近く、なかなか可愛らしく描けていると思います。
キャラデザは、一般アニメでも活躍されている長谷川亨雄氏で、作画監督はエイワンシーではお馴染みの成田マサル氏です。
ただ原作と同じく、キャラクターの等身が高くて頭部が小さいところに、水風船の様な巨乳と言う、少しアンバランスな体系なので、【鈴木みら乃】の様な写実的な描写が好みの方には合わないと思います。
CVは、原作では青葉りんご氏でしたが、おそらく本作でも同一だと思います。
かなり、ロリっぽく演じておられます。
当番娘が一人のみですが、エロシーンのバリエーションの多さは需要を満たすと思いますので、甘めに☆×4です。
甘い蜜の部屋 (ちくま文庫)
濃密で妖艶、官能的な文章でやはり、森茉莉のこの言語感覚は、
すごいなぁと思ってしまいました
夥しい薔薇の芳香に、むせ返ってしまったような気持ちになりました。
それから、モイラが、この種の小説に多い、痩せ型の少女ではないのも、
逆に新鮮でした。
ただ、ストーリーらしき、ストーリーはありません。
簡単にあらすじを説明すると、こんな感じです。
既に幼い頃から、フランス人のピアノ教師を
その独特ので強い、芳香のような魅力で惑わせ、
そして己の快・不快の感覚のみで生きている美少女モイラが、
常安(ドミィトリィ)、ピータァ、天上守安ら男性達は、
次々と虜になっていくが、
結局、誰一人として真の意味で彼女の心を手に入れる事はできず、
その中の一人、夫の天上守安は、破滅していく。
そして、モイラは自分に限りなく深い愛を注いでくれる最愛の男性、
父林作の許へと戻る。
まさにモイラが漂わせる、美の世界、そしてどの男性も入り込むことができなかった、
父と娘のあくまで強く揺るぎのない、限りなく恋人のようで、そして絶対的な愛を描いたものです。
やはり、美少年同士の恋愛が絡まない、耽美小説といった感じでしょうか。