カードキャプターさくら 主題歌コレクション
「カードキャプターさくら」は大変クオリティーの高いアニメで年代を問わず親しめる作品である。それは画、音楽、内容が一つになったからに他ならない。そのオープニングとエンディングを飾った歌がここに収められている。どの歌も個性に溢れたものばかりであるが、私がとりわけ好きなのは「プラチナ」と「明日へのメロディー」である。「プラチナ」はさくらカード編後半のオープニングテーマで、しだいにシリアスな展開になっていく本編の内容に相応しい歌である。かの管野ようこが作曲しただけあって独特の響きを持っているし、坂本真綾の歌もこの曲の雰囲気にあっている。一方、「明日へのメロディー」は劇場版「封印されたカード」のエンディングテーマであり、いわば「カードキャプターさくら」全体のエンディングテーマといえるだろう。歌は大変活気があり前途への夢と希望に満ちたもので、題名どおりの歌である。そして何よりも冒頭の部分がなんと素晴らしい事であろう。冒頭は何においても全体の印象を決めてしまうと言われるが、この曲ではまさに核心であり、類まれなインスピレーションに富んでいると、私は初めて聴いた時感動した。もちろん「プラチナ」も他の主題歌も印象深い冒頭であるが、これほど一度聴いて忘れられない冒頭はこの歌が一番である。その後の展開は冒頭に比べれば精彩に欠ける。しかしこの作品の最後を飾るのに相応しい歌であると言える。本編の放送は終了してしまったが、これらの主題歌を聴いてもう一度「カードキャプターさくら」の世界を思い出されたらいかがであろう。